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his

2020/08/06

最近ブームの少し距離のある映画館まで
自転車で行って映画を観る。今週も
観たい映画があったので行ってきた。

しかし、天気が不安だったので万が一を
考えてゼファールの泥除けを付けたけど
似合わないなー。スポーティーな見た目
じゃないとイマイチかもねコレは。

『his』


今泉力哉監督作品。去年『愛がなんだ』を
観て人間の繊細な心理描写を描く作風に
嵌まり、その後『サッドティー』を観て
肩透かしをくらった監督。

今泉監督の作品の好きな所に、人間の
ダメな部分もきちんと表現されている
事にあるんだけど、サッドティーは
主人公がダメ男過ぎて好きになれず…

なので、今泉作を観て自分的には
1勝1敗で今作を観て勝ち越すか
負け越すか我ながら楽しみでした。

宮沢氷魚(ひお)と藤原季節(きせつ)
W主演の映画his。同性愛も映画の
テーマで映画館は二人の若手イケメン
俳優の絡みを観に来た女性ばかりかと
思ったけど、意外と男も多くて驚き。

Story

井川迅(宮沢氷魚)は周囲にゲイだと
知られることを恐れ、ひっそりと
一人で田舎暮らしを送っていた。
そこに6歳の娘・空を連れて元恋人の
日比野渚(藤原季節)が突然現れる。
「しばらくの間居候させて欲しい」と
言う渚に戸惑いを隠せない迅だったが、
いつしか空も懐き、周囲の人々も
三人を受け入れていく。

そんな中、渚は妻・玲奈との間で
離婚と親権の協議をしていることを
迅に打ち明ける。ある日、玲奈が
空を東京に連れ戻してしまう。

落ち込む渚に対して、迅は渚と
空ちゃんと三人で一緒に暮らしたいと
気持ちを伝える。しかし、離婚調停が
進んでいく中で、迅たちは、玲奈の
弁護士や裁判官から心ない言葉を
浴びせられ、自分たちを取り巻く
環境に改めて向き合うことに
なっていく──。

同性愛のお話かと思ったけど、自然溢れる
田舎暮らしの様子、はたまた子供をめぐる
親権争いの裁判など色々と見所が多かった。

藤原季節演じる日比野渚の自分勝手で
周りをふり回す性格がピンとこなくて
ああ、嫌いなタイプの人間だと
思ってしまったんだけど、映画を
観ていく内に実はやさしくて実直な
人なんだなと、ふと思った。

この作品しれっと自分の思った感情を
最終的に逆転しているのだ。気がつくと
コイツ嫌だなと感じた登場人物も
最後には好きになってるふしぎ。

もう一人の主演宮沢氷魚演じる井川迅は
ゲイだと知られぬように籠った性格を
してるんだけど、こっちが自分的に
感情移入しちゃってもう。

人にまっすぐ気持ちをぶつけるって
怖いよね。うん…。


芸能には疎いのでW主演の宮沢氷魚も
藤原季節も申し訳ないけど知らなかった
けど、演技が素晴らしかったです。

ただそれでもこの映画は渚の娘、
空役の外村紗玖良(さくら)ちゃんの
演技が物凄かったけど!

2012年生まれ(ついこの間…)で最年小の
キャストだけど作中で一番でした。

自分勝手な渚と仕事漬けの玲奈の子供で、
ゲイのカップルの元で育つ子供になる
かもしれないと、特殊な環境にある子で
一歩間違えば感情移入されなかった筈。

ただかわいいだけにとどまらず、子供って
わがままで奔放で育てる大変さ、はたまた
育っていく嬉しさも感じられる演技で、
はなまるな女優さんでした。


同性愛というテーマばかりに目が行って
しまうけど、舞台となった岐阜県白川町に
住む人々の姿も魅力的で、実際に映画の
ような所なら移住したくなっちゃうし、
ただのBL映画にとどまらない良映画。

hisのチラシにあるように
『恋愛や周囲の人々との関係に少し
臆病になっている人たちに一歩
踏み出す勇気を与えてくれる』
そんな映画だった。

なかなか一度観た映画はもう一度は
観たいと思わないんだけど、この
映画はもう一回観たいなー。上映
最終日に行ったので映画館でもう
一度は観れないけれどね。天気も
あやしく行くの迷ったけれど、
観に行ってよかったなー。

男ながらに宮沢氷魚くんが好きに
なってしまいました。2勝1敗。
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