梅雨前のこの時季になるとなんだか毎年
映画の話をしている気がする今日この頃。
というのも、僕が好きな映画館の1年の
会員期限がちょうど切れるタイミングで
更新をするために映画館を訪れ、その
ついでに毎度映画を一本観るからだ。
会員になると映画のタダ券がもらえるのと
家に映画のチラシと映画館オリジナルの
冊子が毎月送られてきます。コロナで営業が
苦しい時に潰れたら困ると会員になった訳
なんだけど、段々毎月送られてくる大量の
チラシの処分が面倒になってきたよ…(本音)
毎月送られてくる数々の映画のチラシを
見て「こんな映画やるんだな。よし観に
行こう!」とはならず、映画の情報は
SNSで調べちゃうから届いたチラシ達は
未開封のままなんて事も往々にあります。
前はなかったけど今はチラシ無しの
ライト会員なんてのもあるんだけれど、
自分は誕生月になるとお祝いのタダ券が
送られてくるのが嬉しくてチラシ有りの
会員を選んじゃいます。タダ券好き。
しかし、映画館の会員にもなっているのに
最後に観た映画が去年7月に観た「哭悲」と
1年近く映画を観てないなんて、そんな
うすーい映画館好きで良いのだろうか…
今年はもっと映画を観たいゆた。です。
(そういえば、最近原作が好きな映画
「みおつくし料理帖」をレンタルで
観たけどイマイチだった。テンポが
早すぎて情緒を感じなかった。それと
主役の澪を演じた松本穂香は好きだし
かわいいけれど、大きな瞳が現代的で
自分の澪のイメージと違ったなー)
さて、前置きが長くなったけど久しぶりに
横浜にあるお気に入りのミニシアター
ジャック&ベティで映画を観てきました。
「レッド・ロケット」
正直今は大きなシネコンでやっている
話題作の映画(マリオとか)の方が
観たいやつがあるんだけれど、僕の好きな
ミニシアターでスラムダンクやマリオは
やってない。なので、何を観るか迷った末に
選んだのがレッド・ロケットという作品だ。
この作品とにかく主人公が最低な男で
全く共感を覚えないし、応援する事も
出来なかった。ここまで興味のない
人間だったら「もうどうでも良いや」と
映画館を後にしそうだけど、最後まで
見入ちゃったし、見終わった後は無性に
この映画の話を誰かとしたくなった。
ただ、周りにミニシアターでやるような
規模が小さめの映画好きもいないし、
もちろんレッドロケット観たって友達も
いないのでブログにこの映画の感想を
書き残したいと思う。(ネタバレあり)
物語は1人の男がバスに乗って寝ている
所から始まる。本作の主人公マイキー
(サイモン・レックス)なのだが顔には
痛々しい痣があり、ただならない様子。
バスに乗り辿り着いたのが故郷である
テキサスシティ。とある家を訪ねるのだが、
家主はマイキーの顔を見るなり嫌な顔で
出迎えて、全く歓迎ムードはナッシング。
家の中には年老いた母親と中年の娘
(マイキーと別居中の嫁)がいて二人を
頼って17年ぶりに訪れるんだけれど、
さっさと帰れと中指まで立てられます(笑)
どんだけマイキー嫌われてるんだよ…って
感じだけど、17年もの間別居状態の妻の
所に「数日間泊めて欲しい」と言いにくる
精神というか状態ってだけでお察し。
彼は元ポルノ男優で居場所も職を失い
これまた同じく元ポルノ女優の妻を
頼ってきました。居候を嫌がる義母も
家にお金を入れる事や家事が条件で
仕事が見つかるまで滞在するのですが、
最初に義母と妻が激しく抵抗したのも
納得なダメ男っぷりで…(以下略)
~映画の予告ムービー~
お騒がせ男マイキーが故郷へ戻り
色々な人に影響というか迷惑を大いに
掛けて夢へと進むサクセスストーリー。
と、言えば聞こえはいいけど、マイキーは
自分の利益だけを追求しようとする究極の
利己的人間で他人の事なんて全く考えない。
嘘八百で口先だけのマイキーなんだけれど、
行動力は凄いのがこれまた困りもの。
周りに居たら絶対イヤな人間だろう…(笑)
数ある最低な出来事の中でも自分が一番
最低だなと思ったのが、大麻を売り捌いて
お金を手に入れたマイキーが、妻と義母を
連れて(といっても徒歩)ドーナツ屋さんへ
2人にご馳走しに行く話があって。そこで
働く17歳の少女ストロベリーにマイキーは
惚れ込んでさ…。妻と義母はゆっくり
ドーナツを食べたいのに、マイキーは
なぜか忙しない感じで早くドーナツを
決めさせて急いで食べて帰ろうとしてね。
なんでかなー?と思ったら一度3人で
家に帰ってから自分は用事を思い出したとか
なんか言って自転車でさっきまで居た
ドーナツ屋に戻って、若い店員さんを
口説き始めるんですよおぉ…!?
確かにストロベリー(スザンナ・サン)は
かわいい!童顔なのに色気があってさ。
でも、お前早く帰ろうと年老いた義母も
早足で帰らそうとするわ、妻を誘って
セックスまでしてたやん!(愛のある
様には見えないのがなんともリアル)
全てを無くした男が長年別居状態だった
妻と仲良くやるメロドラマかと思ったが
全然そんな事はなかった。こうなると
居候として古く硬いソファで寝るのが
嫌になってベッドで寝たいがために妻を
誘惑したのでは?とすら思えてしまう…。
マイキーの恐ろしさは他にもあって
いやいや何歳年下だよ?と思える
ストロベリーを口説くのにウソばかり
ついてさ。家は全然違う所にある豪邸に
住んでるとか言うし、コイツはもう!
はたしてマイキーはストロベリーと
上手くいくのか?それはぜひ映画を
観てどんな結末か観て欲しいね。
(喜劇と悲哀の間の結末で必見)
主人公のマイキーが好きになれない
人がやはり多かったのか、上映後に
パンフレットを購入している人は
自分を除いて誰もいなかったけど…
パンフレット 800円
ただ、このパンフレットデキがとても
良くって!映画内でよく解らない単語や
アメリカの文化が出てきたんだけれど、
バッチリ解説されているし、なにより
良いのが劇中ストロベリーが着てた
ファッションのイラストが載ってるのが
かわいらしくて気に入りました。
笑顔で自転車に乗るマイキーが
魅力的なポスターだけど、笑顔の
理由は「仲良くしてた隣人が罪を
被って自分だけ助かった時の笑顔」で
倫理観を見失うものなんだけれど、
人類愛とは真逆で皮肉的で好きだ。
マイキー好きになれなかったけど、
最後の笑顔を見て自分も笑ってしまい
もうコイツはこのまま突き進めと思った。
真面目な日本人には一度マイキーの周りを
気にしない図太い生き方を観て欲しいな。
しかし、こんなに好きになれないのに
憎めないのはなぜなんだろう?
全くかわいくないのにさ。
やった事といえば、17年間別居状態
だった嫁の家に突然行き嫁の家を
ひっかき回すわ、仕事場(大麻の販売)の
ルールも守らず自分の利益にするわ、
多分40代?のオッサンが17歳のJKを
騙して(ストロベリーは騙されてたと
知っても許しそうではあるけれど)
自分が儲けようって話なのに…。
それでも見終わった後に嫌な気がしない
不思議な映画でした。それとこの映画、
コロナ禍の撮影で主要キャストの大半は
地元出身の一般人を使っているというから
ビックリだ。初めてショーン・ベイカー
監督の作品を観たけれど、他の作品も
観たくなってしまったよ。いやはや。
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